Let's play our music!【うた☆プリ】
第17章 始まる夏季合宿
「ぜっっったいに嫌!!!」
「何言ってるのよ、あのレンくんに選ばれるならこれくらい着ないと!!」
「ぜっっったいに嫌!!!」
そして数10分後の今。
私は華と格闘していた。
何だかデジャヴだ。
しかし今回は折れるわけにはいかない。
華が取り出したのはなんと彼女のホームパーティーで踊った時の衣装だったのだ。
「これ衣装でしょ?!」
「勝負服よ!!」
衣装としてだから何とか着れたようなものを今着ろだなんて無理。
絶対無理だと首を振り続けているのに痺れを切らした華は突然私に飛びかかってきた。
「問答無用!!」
「ちょ、華!やめっ…!!」
そして。
「一生許さない…!!」
「まぁまぁ、今度奢るから、ね?」
無理やり着せられた例の服。
自分を隠す布面積の狭さに今すぐベッドに飛び込みたくなる。
これを着て神宮寺さんに申し込みをするとかどんな罰ゲームだ。
「…で、まさかこれで神宮寺さんのとこに行けと?」
「んー、そうするつもりだったんだけど。がすごく嫌がるから外に出るのはやめておいてあげるよ」
なぜ上から目線。
しかし彼女の譲歩は願っても無いことで私はありがたく受け入れるほかない。
でもきっといつかは行くのだからその間にこの服に慣れてしまおうと完全に諦めモードに入った。
「そういうのも似合うんだから着ればいいのに」
「…なんか恥ずかしい。むしろ何で皆平気なの?」
「慣れじゃない?」
そういうものなのだろうか。
半信半疑ではあったものの、その後少しその姿で室内をうろうろしているとやがて始めほどの羞恥は消えた。
確かにこういうのは慣れるが勝ちらしい。
「それでも人前には出たくないけど…」
「?」
「こっちの話」
「ふーん…ね、その姿にも慣れた?」
「まぁ…なんとか」
「そう、なら良かった」
何が。
そう聞こうとした口はあんぐりと開いたまま一言も発せなくなった。
「そろそろかな」
「華、呼んだかい?」
突然の来訪者によって。