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Let's play our music!【うた☆プリ】

第17章 始まる夏季合宿



「華、荷物ありがとう」

「いえいえー!」


あてがわれた部屋に戻ると、華は既に荷物を広げた後らしくあちらこちらに見慣れた華の私物が見えた。

私も必要なものを出しておこう。

そう思ってトランクを開け、中から私服やらノートやらを取り出す。
備え付けのクローゼットの中に1着ずつかけていくと、後ろから華が声を上げた。


「ちょ、ちょっと待って!まさか普段着しか持ってきてないの?」

「そうだけど…問題ある?」

「大有りよ!!!」


大声に思わず振り返ると、華は信じられないといった表情で私を見る。


最初に弁解しておくと、私は別に適当な服を持ってきたわけではない。
一応女子だし、それなりのこだわりも持ち合わせている。

通販で買った新しい服は結構気に入っているし、そこまで酷いものでもないと思っていたのだが。



「、そんな服でレンくんにペア申し込むつもり?!」



気付けば華に正座をさせられていた。


「言ったよね?ここで申し込むって」

「言ったけど…そんなダメな服?これ」

「勝負服ってもんじゃないでしょう!!」


良くない?と新しく買ったワンピースを持ち上げてみせる。
が、眼前まで迫ってきた華にそれ以上何も言えない。


「勝負服…大袈裟じゃない?」

「何言ってるの、ペアを組むなんて言うならばプロポーズよ?皆自分をよく見せるよう最大限努力してるに決まってるじゃない。特にこの合宿は私服でいれる機会も多いんだから」

「プ…プロポーズ…?」


言い過ぎじゃないか。
しかしその後ずっと2人でやっていくという意味合いで言うのならば間違っていないのだろうか。

何だかよく分からなくなってきた。


「はぁ…でも良かった、こんなこともあろうかとに似合いそうな服持ってきておいて」

「持ってきてるの…?!」


私がペアの申し込みをそこまで重要視していなかったことを見抜いていたのかこの人は。

ある意味恐ろしい人だ。

凄いでしょうと笑う彼女が見せてきた洋服を見て、






固まった。
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