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Let's play our music!【うた☆プリ】

第2章 前途多難な新学期


入学式終了後。
Sクラスの教室にやって来た私と華は、それぞれの座席に着席していた。

「担任の日向龍也だ」

担任の教師としてやって来た日向龍也はシャイニング早乙女と同じくアイドルである。

かなり人気の高い存在が講師とは流石競争率200倍。

本日何度目か分からぬため息をつくと、それが丁度誰かと被る。
相手は隣の男子生徒で、向こうも驚いたようにこちらを見ていた。

「あ、どうも…」
「お前も、龍也先生のファンか?」
「へ?」
「俺もなんだよ!ほんと最高にカッコいいよな、あの人は!何好きなんだ?」

どうやら私が日向先生の格好よさに見惚れてため息をついたのだと思ったらしい。
あの人の存在感に圧倒されてついたものなのであながち間違っているわけではないのだが、少し違う気もする。

しかし別に取り消すほどでもないので、放っておくことにした。

「えっと…ケンカの王子様、かな?」
「マジか?!俺もなんだよ〜、あのシーンのさ…」

先生の代表作を挙げると、途端に男子生徒の目は輝く。
しかしそこで先生がちらりとこちらを見たので、そこで私達の会話は強制的に終了した。

教室が静まったことを確認した日向先生は淡々と話し始める。

「お前らも知っているように、この学園はアイドルと作曲家を養成する学校だ。設備、環境共に充実、各クラスの担任は全員現役アイドル、他の講師も有名な作詞家や作曲家と一流ぞろい」

その言葉に生徒の大半が歓声を漏らす。
当然だろう、現役の人達から学べるチャンスなどそうはないのだ。
多くの生徒が尊敬し、目標としているであろう人々から学べる最高の環境に、かくいう私も歓喜していた。

「優秀な生徒はメジャーデビューの可能性もある、頑張れよ」

デビュー、か。

脳裏に蘇ったのはかつてのパートナーで、私の目標。

"頑張りなさいよ"

2年間の準所属の後早乙女学園に行くという私の宣言に、麗奈は特に文句も言わず、背中を押してくれた。

レイジング社長も何か言いたげだったけど、それが契約だからと引き留めはしなかった。
他にもたくさんの先輩が、私の決意を後押ししてくれた。

私はあの人達のもとに、もう1度行きたい。
夢を叶えたと、報告するために。
多くのことをしてくれた、あの人達に恩を返すために。
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