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色々詰め合わせ(短編)

第6章 かみさまのこどもたち 神田夢


そしてレイアはふと思う。

――神様は天気を変えられるのかな

自分たちエクソシストが崇める神ははたして万能なのだろうか?

七日で世界を作れるのだから何でもできそうな気がするが、ならなぜこの戦争は終わらないのだろう。

レイアはいつから千年伯爵との戦争が始まったのかは詳しく知らない。でも、コムイから前聞いた話によると100年ほど続いているらしい。

そう考えると神は万能でも何でもない。ただの無能で面倒くさがりだとレイアは思う。

その百年の間に何人が死んでいったのだろう。千年伯爵を呪いながら倒れていったのだろうか。

――エクソシストは何人死んだんだろう

神は人間のことなんて見向きもしてないのだ。そう思い至るとぞっとして寒さが増したように感じる。

「ま、天候すら変えてくれないんだから意地悪なのは確定だな」

言って一人で苦笑する。答えてくれるものなどいないのに。
私たちは何故神に選ばれたのだろうか。

きっと選ばれたエクソシストは一度は考えることではないだろうか。

レイアは時々自分はある一定の合格ラインに達しただけでエクソシストになったのではないかと思う。人間はみんなエクソシストになれる要素は持っていて、それがたまたまレイアは高かっただけなんだろう。なんて考えてしまう。

まさに貧乏くじを引いた気分だ。レイアは盛大にため息をついた。白い靄が顔を隠すほど息を吐き続けて、意味のない行為だとむなしくなってやめる。
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