• テキストサイズ

色々詰め合わせ(短編)

第3章 いつか見た夢のように儚く TOA ガイ夢


「んな! なんで秋良がいるんだよ! あぶねーからくんなっつったろ!?」

「ごめんなさい、お兄様。でも、秋良はお兄様が楽しそうにしているのを見ているのが好きなのです」

その言葉に顔を真っ赤にするルーク。ルークは素直じゃないし照れ隠しが苦手なのだ。

「だから、やめろっつのそういうの!?」」

「なぜですか?秋良はお兄様が笑っているだけで嬉しくなります。――いけませんか?」

二の次が言えなくなったルークが口ごもる。そろそろ助け舟出してやろうかとオレは口を開いた。

「ルーク坊ちゃんは大事な秋良お嬢様が怪我するのが嫌なんですよ」

「なっ! ガイ! テメェ!」

もうルークは耳まで真っ赤だ。その様子にヴァンも肩を揺らす。
ある程度笑った後ヴァンはガイににやりと笑いながら言う。

「からかうのもそれぐらいにしていたほうがいいでしょう。ルークがゆでだこになりますぞ」

「先生まで!? あぁ――もう、うっせぇうっせぇ!!」

大足で中庭から出ていってしまったルークにみんなで笑う。

「では、今日はこれぐらいですかな。私は宿舎に帰ります。では、秋良様またいずれ」

深く礼をしてヴァンは去っていく。中庭にいるのは二人だけになってしまった。
未だにクスクスと笑っている秋良にオレは問いかける。

「そんなに面白かったですか?」

秋良は何回もうなづく。

「兄が楽しそうにするの二人がいらっしゃる時だけですから」

「秋良様にも笑って話してらっしゃるじゃないですか」

その言葉に秋良は目を見開きうつむく。

「お兄様は男だけの話とかがお好きで私とはあまり……」

つまり、この少女はルークが仲間に入れてくれないことをすねているのだ」
なんだかすごく微笑ましいなぁ、なんてガイは思ってしまう。座っている秋良に目線を合わせ、唇に人差し指をつける。

「なら、私との秘密を作りましょう」

言ったそばから表情が晴れていく。やはり兄弟なんだなとちょっと思ってしまった。

「え? どんな事をでしょう」

首をかしげる少女にオレは乗ってくるように言葉を弾ませながら言う。

「お互いの秘密を言い合うのです」

「お互いの……?

「えぇそうです。できればとびっきりの」

「そうですか、わかりました」
/ 42ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp