第2章 運命の出会い
『龍樹さーん!』
葵がそう叫ぶと、龍樹さんは私達の方をチラッと見た。
『あ、葵ちゃん来てたんだ!』
話し方からしていい人オーラがすごくて、笑うと目が細くなってすごく優しい顔になる。
『この子、うちのバンドの有力ギターボーカリスト!』
葵がそういうと、龍樹さんの目線は私の方へ向けられた。
『葵ちゃんから聞いてるよ!菜穂ちゃんだよね?』
『は、はい!!』
ふと葵の方を見ると、満面の笑みを浮かべていた。
葵ナイス!!!私の名前教えてたなんて!
しかも覚えてくれてるし、すっごい嬉しい。
『んで、この子がベースの詩穂』
詩穂は照れ臭そうにペコっと頭を下げた。
『俺もベースなんだ、今度一緒に練習しようね!』
『あ、、はい!』
詩穂が一瞬私の方をチラッと見た。
たぶん今の発言に、少し気遣ったんだよね。