第6章 急接近?!
中の扉を開けると、黒で統一された高級感溢れる内装に、私のおじいちゃんくらいのマスターが1人、カウンターに立っていた。
こんな凄い所に来れるなんて、、、。
なんか私達子供過ぎて場違いなんじゃないかって思うほど。
『そんな固くならないで!』
私達の様子を見て、理玖さんが優しく和ませる様に言う。
いらっしゃいませ、と、落ち着いた声のマスターが、私たちを席へと案内してくれる。
カウンターのそばには、3つほどテーブルがあったが、そこに案内されるのではなく、人が並んで歩くには少し狭い通路を通り、その先にはVIPルームと書かれた部屋が現れた。
日向さん達は、慣れた様子で各々ソファに腰を下ろす。
私と葵が、どこに座ったらいいのか迷っていると
『菜穂こっち』
と、日向さんが〝おいで“と手を動かし呼ぶ。
『葵ちゃんこっち!』
理玖さんも、葵を自分の横に呼んだ。
結局さっきと全く同じ様な配置になっていた。
また奏多さんと日向さんに挟まれる状態に、さっきの恥ずかしかった出来事がフラッシュバックしてくる。