第6章 急接近?!
5分ほど歩いて、またライブハウスへと戻ってきた。
ライブ自体は終わったが、中からはノリノリなBGMが薄っすらと外に漏れていた。
葵に背中を押され、ガラスの扉をゆっくりと開ける。
そして、ライブハウスに繋がる扉を開けると、さきほどとは打って変わって、一瞬耳を塞ぎたくなるほどの爆音が流れてくる。
うわーー、、やっぱまだこの爆音慣れないなぁ、、、。
緊張からなのか、爆音のせいなのか心臓がドキドキしてる。
お客さんがいなくなったライブハウスには、今日ライブしていたバンドの人達とその友達??らしき人が沢山揃っていた。
『実は私も打ち上げ出るのは初めてなんだよねー、、!だから、ちょいと緊張気味ですっ、、。』
あのどこでもやっていける社交的な葵でさえ、緊張からか少し表情が固くなっている。
『菜穂、とりあえず匠さん達探そ』
『そ、そうだね!!』
とにかく知らない人ばかりだし、高校生なんて見た感じいなさそうだし、なんていうか場違いなような気がしてならない、、。
とりあえず匠さん探して、居場所確保しないと!!
色んな人の声が飛び交うライブハウスを見渡すと、奥のソファの方にお酒を飲んでいる匠さんの後ろ姿を発見した。
『あ、いた!!!!菜穂行こ!』
葵に手を引かれ、少し申し訳なさそうに大人達の間を通る。
『匠さーーーん!!!』
この爆音にも負けないくらいの大声で、匠さんの後ろから話しかける。
匠さんは後ろを振り向き、私たちの姿を確認すると、目を細くして笑顔を浮かべた。