第4章 急展開
『JKと戯れるのもいいけど、成田さん呼んでたよ??さっきのとこの打ち合わせだってー』
『あー、まぢか!菜穂ちゃん達ごめんね!なんか呼ばれてるみたいだから行かないと!また今度聴きにきて!』
そういい、王子様のようなキラキラスマイルを置いていった。
3人がいなくなったら、なんだか嵐が去っていったような気分。
というか、日向さんだけがうるさかったのかな?(笑)
私達3人はライブハウスの目の前にあるベンチに座り、薄っすら聞こえる音と先ほどの余韻に浸っていた。
『お金欲しいぃいいい』
『私もぉおおおぉお』
お金があれば毎回ライブ行けるのにね。
『本当に高校生って時間はあってもお金がない!!!』
葵がそんなセリフを吐きながら立ち上がると、急に頬を染め乙女の顔になった。
そんな葵の視線の先を、私と詩穂も追いかける。
視線の先には、どこかで見たことのある姿があった。
すると、、
『ねぇ、あれってさ、クランのボーカルだよね??』
葵に言われてもう一度姿を見ると、確かにクランのボーカルの人だった。
こっちの方に向かって歩いてきてるということは、本番前にどこか行ってたのかな??
『ちょっと私行ってくるわ』
『『えっ?!』』
私達の声も全く耳に入っていない様子で、1人でその人のところへ向かっていってしまった。