第2章 運命の出会い
『今日もね、最高に暴れて楽しいライブにしような!!!!!』
ボーカリストがそう言い、会場からの大歓声が鳴り止む前に、さっそく一曲目が始まった。
ギター、ベース、ドラムが本当に息ぴったりで、クランを知らないのに、すごい楽しめてる自分がいる。
『ねぇ、一目惚れした』
私と詩穂が、えっ!??と葵の方を向く。
『かっこいい、、』
完璧心を射抜かれてる葵。
一体誰に一目惚れしたんだろ。
『どの人?』
『真ん中の!!』
葵が指差すのは、さっきからずっと話していた、ボーカリストの人だった。
確かに一目惚れするのもわかるくらい、かっこいい。
声は優しいんだけど、どこか力強い感じ。
私がボーカリストのことを見ていると、なんとなく視線を感じ、すぐ横のギタリストに視線を移した。
すると、ギタリストの人とバッチリ目があった。
その人は私の方を見て、ニコッとはにかんだ。
え、、、今のって私に?
いや、そんなわけない、初対面だし。
きっと後ろに彼女とかいたんだ。
なんとなく気にはなっていたが、クランのライブを最後まで全力で楽しんだ。