第2章 運命の出会い
龍樹さん達の出番が終わると、後ろからすごい人波が押し寄せた。
私達三人はいっきに端にお追いやられ、あまりのすごさに唖然としていた。
『な、なんか人すごいね』
『たぶんこの次が有名なバンドなんだよ』
『クラン!クラン!!!』
会場全体がなにか叫んでいる。
『クラン??』
『その有名なバンドの名前が、クラン!』
葵は、私も初めてみるんだと、目をキラキラ輝かせていた。
すると、お客さんの大歓声と共に、四人組が姿を現した。
その姿は、龍樹さん達には申し訳ないけど、圧倒的になにかが違うのは素人でも分かった。
私達三人もその姿に目を奪われ、口を開けながらまじまじと見ていた。
『今日はどーもありがとー!!!』
クランのボーカリストらしき人がそう言うと、会場はまた一気に盛り上がる。
そのすごさに少し体が引いてしまっていた。