第16章 赤い夫との甘い夜
「はぁ…………。いい加減現実に戻ってこようか」
ギュッと征十郎は私の首に手を回し、胸の頂上をつまむ。
『あっ…………せい……征十郎』
「なんだい?」
『なっ………なんでっあっ!』
「1人で寂しいかなと思ってね」
征十郎は空いている片手で私のお腹を撫でる。
『そんな…………。あっ!!そこあか…………んっ』
「やっぱりここは敏感だね」
征十郎は指先でくびれをなぞる。
『あっ………………』
ぞくっと鳥肌をがたった。
「そんなに反応してるの?」
征十郎は手を止めて私の鳥肌を見て言った。
『あと…………。寒い』
「え?」
『濡れてるから………。せっかくここまで来て風邪はひきたくない。続きはあがってからでいい?』
「そうか………。風邪をひかれると困るな…………」
『やろ?だから手離して』
私は征十郎の手首を掴んだ。
「体洗っていいかい?」
征十郎は私の目をじっと見つめて言った。
『……………嫌』
「なぜだ」
『こしょばい。というか家でも言ってる』
私は征十郎の方へ体を向いて言った。