第16章 赤い夫との甘い夜
私は征十郎に手を引かれながら部屋へと戻った。
バタン ガチャ
征十郎は扉を閉めると鍵を掛けた。
『ふあぁ……………。あー。ねむ』
「お風呂入ってきたら?」
『んーー。そうするわ。征十郎はお酒とか飲んどいたら?』
「ああ。そうしとくよ」
私は入る準備をしてお風呂場へと向かった。
『……………広いな』
私は大理石でできた浴槽や床など見て驚いていた。
『家の倍以上あるやん』
私はひとしきり物色し終わった後、わしゃわしゃと高級そうなシャンプーで頭を洗っていた。
『むっちゃいい匂いする』
私は1人で感想を言っていた。すると…………
「ほんとだ。いい匂いだ」
『やろ?ほんまにいい匂い…………って。は!?』
私は驚いて後ろを振り返った。
「やあ」
そこにはタオルを腰に巻いた征十郎が立っていた。
『やあじゃなくて………。いや。え?幻?あ、そうや自分疲れてるんやわ』
私はイヤイヤイヤと頭を振って征十郎がいると否定した。