第16章 赤い夫との甘い夜
「はぁ……しょうがない。早く洗って出よう」
征十郎は私の横で頭を洗い始めた。
『征十郎。あとで背中洗って』
征十郎は少し目を見開いたがすぐに細めて
「ああ。もちろんだよ」
と言うとまた自分の頭を洗いだした。
「美桜。洗えたかい?もう出れる?」
『うん』
「よし。じゃあ行こう」
『ひゃっ!?』
征十郎は私を横抱きすると、スタスタと歩き出した。
『ちょっ……。待って。待ってって!!』
「……………なんだ。俺はもう色々と待っているが?」
『あの………。その……………。トイレとお水飲ませて』
「ああ。いってらっしゃい。俺も水を飲みたいから美桜の分も入れておくよ」
『ありがと』
私はトイレへと急いで行った。