第15章 赤い夫との豪邸
「美桜?大丈夫かい?」
『こんなんされたの初めて………』
「とりあえず部屋へ案内してもらおうか」
〈部屋へ案内してくれるか?〉
征十郎は私たちの1番近くにいたメイドさんに声をかけた。
〈かしこまりました。荷物をお持ちします〉
メイドさんが手を差し出した。
〈大丈夫だ。俺よりも美桜の荷物を持ってやってくれ〉
征十郎は私を指差した。
《え?いや持てますよ?だから大丈夫です》
私は断った。
〈いや。長旅でお疲れでしょう。持ちます〉
次は執事さんが出てきて言った。
「ここでは俺たちが立場が上なのだから甘えるべきだよ」
『うん…………。わかった』
《じゃあお言葉に甘えて………。お願いします》
私は執事さんに荷物を預けた。