第3章 赤い夫との会社
私はいつでも忙しい。朝はあんなことがあったが昼からは征十郎の秘書として働く。
「美桜。この前協議した内容のまとめと、あとこの紙に書いてある数字の平均とグラフ化をしてくれ」
『わかりました。また確認よろしくお願いします』
「ああ」
私はパソコンの前に座ってキーを打った。
目の疲れと闘いながらなんとか仕上げることが出来た。
『社長。出来ました』
「分かった。後で見るからそこに置いておいてくれ」
『はい』
今は仕事中なので早口での会話だ。私は次の仕事をしようとした時。
「あ。美桜」
『はい?』
あまりこういう時に名前を呼ばない征十郎が呼んだのでびっくりした。
「コーヒー買ってきてくれ」
『ブラックですか?』
「いや。疲れたから微糖で」
『はい。じゃあ買ってきます』
私はそれだけ言うと財布を持って部屋を出た。