第3章 赤い夫との会社
『お疲れ様です』
私はすれ違う社員の人へ挨拶をし、早くコーヒーを買うため早足で歩いていた。今日はいつも頼まない微糖を頼んだので心配だ。倒れへんかったらいいけど…………私はそう思いながらカフェへと足を進めた。
『コーヒーください。微糖で』
私はカフェの店員へ話しかけた。
「はい。今は微糖何ですか?さっきはブラックだったので」
『あ。これはせ、いや、社長に頼まれて』
「そうなんですか。お持ちするので座ってお待ちください」
店員はテキパキとコーヒーを淹れてくれた。私は受け取り、征十郎のともへと急いだ。
『ただいま戻りました』
「ああ。ありがとう。あと、今は2人だから敬語はいい。この部屋なら別に良いと言っているだろう?」
『うん。大丈夫?疲労で倒れたりしないでね?』
「それなら問題ないよ。栄養バランスがとれている美桜のご飯を食べているからね」
『そういうことじゃなくて…………』
ちょっと怒ろうかと思い征十郎の顔を睨むと征十郎はまるで私の顔を見て疲れを癒やしているような微笑みをしていた。
そんな顔されたら怒れへんやん。
私はそう思いながら征十郎へと足を進めた。
「どうかしたのかい?」
征十郎は立って私の方へ歩いて来てくれた。
『……………………』
「美桜?」
征十郎は私の顔を覗き込むようにして見た。