第12章 赤い夫とキセキとの別れ
AM6:30
私は目を覚ました。
「あ。起きたかい?おはよう」
そこには上半身裸の征十郎が微笑んで見ていた。
『あ………………?』
私は寝ぼけている頭をフル回転させた。
『ああ。昨日疲れて…………。で、なんで服…………あ。思い出した』
やっと思考回路が繋がった。
『てことは朝ご飯!!!征十郎!服は!?』
「騒がしいね」
征十郎は私を抱きしめて頭の後ろに手をやってキスをした。
『うんっ………んっんんっ…………………』
征十郎の舌が細かく動き回る。私の唇の端から透明の液体が滴り落ちた。
『あっ……ん………んっ……っ………』
私は段々身体が熱くなるのを感じた。
『せいっ……………んっ……』
私は角度を変えるときにできる隙間から征十郎の名前を読んだ。
「はぁっ…………なんだ………」
『な……なんだじゃ…………ないって。朝ご、ご飯作らな…………』
「昨日は誰かさんが寝たからね。俺は不満でいっぱいなんだが」
『そんなん言われても………。疲れてたし………』
「まあいつも車ばっかりだしね」
征十郎は短いキスをした。
「おはよう」
『……………おはよう』
私は少し征十郎を睨んだ。