第9章 赤い夫とキセキとの騒がしい夕食
「美桜っち!しゃもじちょーだいっス!!」
『はい。どうぞ』
少ししゃもじを濡らして涼太に渡した。
『入れれたら私にくれる?ルー入れるから』
「入れれたっスよ!」
『ありがと。次は?大輝??』
「おーーー」
大輝はドバッとご飯を入れた。
『多くない?私たちの分なくなる………。おかわり用のご飯炊くから少し減らして!』
「はいはい。こんなもんか?」
『うん』
「もー!!大ちゃん!人の家なんだから遠慮しなよ!!!」
「だから減らしただろ!!」
『はい。そこまで』
こうしてテツヤ、敦、征十郎、さつき、私という順番で入れていってルーをかけた。
「むっちゃいい匂いっス!!!」
涼太が前のめりになって嗅ぐ。
『危ないから下がって』
「いい匂いだね」
征十郎が少し微笑んでいう。
『かけれたから持って行ってーー。あ、征十郎らっきょうと福神漬を冷蔵庫から持っていっといて』
「ああ」
「美桜のカレー持って行っとくよー??」
さつきが首をかしげて言った。
『持って行っといてくれるの?ありがと』
私はキッチンの汚れを拭き取ってから皆のいるリビングへと行った。