第8章 赤い夫とキセキとのバスケ
私は敦に越しに征十郎が見えたので征十郎めがけてボールを打った。
「美桜ナイスパス。上手だよ」
征十郎は少し微笑んでからすぐに真剣な表情になり、涼太にパスした。
「1on1だな。いくぞ!!」
涼太と大輝が1on1で、私は動くこともできなくなった。
『どうしよ…………』
「とりあえず危険なのでここにいてください」
テツヤが横から言った。
『なんか嬉しそうだね』
「もちろんです。久しぶりにバスケやるので。美桜さんも楽しいですか?」
『うん!!楽しい!』
「あーーー!!悔しいっス!!」
「お前体なまってんじゃねえの?」
「ケンカはいいから!!美桜とテツくん暇してるから!」
「わかったよ。じゃあ俺たちからだな」
『え。もう始まるの?あれテツヤは?』
その時私の真横に何かが掠った。
『え…………………?』
私が振り返るとそこにはボールを持った敦がいた。
「美桜ちん大丈夫〜?」
『あ、うん。大丈夫。少し掠っただけ』
「黒ちんダメじゃ〜ん。赤ちん怒るよ〜??」
「黒子、気をつけるのだよ。美桜大丈夫か?」
『うん。ありがと。じゃあボールもらうね』
私は敦の手からボールを取るとそのままゴールを決めた。
「「えーーーーー!?」」
『よし!入った!!』
「美桜ちん。それ反則〜」
『え??ほんまに?じゃあ点なしなん?』
少し沈黙が起こった。