第8章 赤い夫とキセキとのバスケ
「黄瀬くん。ついて来ないでください」
「なんでっスかー。というか行くところ一緒っスよ!!」
涼太とテツヤがそんな会話しながらやってきた。
「あ!!美桜っちーーーーーーーーー!!!!!」
涼太が両手を広げながら私に向かって走ってきた。
「あー。美桜ー!会いたかったっスよー」
涼太は抱きついた。征十郎に。そう、目の前に征十郎という名の壁ができている。
「なんか筋肉むっちゃあるっスね!男みたいな…………。え?」
涼太は青い顔をして顔をあげた。
「え。赤司っち………………。ごめんなさいっス!!」
「黄瀬……………。50本ダッシュだ」
「えーーー!!嫌っス!許してくださいっスよー」
涼太は涙目で言った。私は笑いすぎてお腹がこじれそうになっていた。
『あー。お腹いた。征十郎いいよ。許してあげて』
「そうだが………。美桜を突き飛ばす勢いだったんだ。それに抱きつくなど俺が許さない」
『でも抱きつかれて無いからセーフ。それにこれからバスケやるでしょ?』
「あの………。僕には1言もなしですか」
テツヤが手をあげて言った。