第5章 赤い夫との風邪
『ん……………………………………』
俺は起こしてしまったかと驚いたが、明かりで眉間のシワを少し寄せて寝返りしただけだった。
「起きてないか………」
俺はゆっくりと布団の中に入った。美桜の熱でいつもより布団が熱かった。美桜の頭を撫でると少し美桜が微笑んだ気がした。美桜の柔らかい口に軽くキスをした。
「お休み美桜」
数日後、美桜の熱もすっかり下がり会社へと出勤した。熱が下がった日の夜はとても濃い夜になった。
やっぱあんな事言うんやなかったなー。
私は言った後からそう思うのであった。