第23章 赤い夫とのプロポーズ?
「俺がさっき皆さんに紹介したいと言った人はこの人です」
征十郎はしっかりと前を向いて言った。
私は征十郎が何を言ってるのか意味が分からなかったが、全員がニヤニヤしながらこっちを見ているのだけはわかった。
征十郎はマイクを外して小さな声で「名前言って」と言った。
『え、なんで……ちょっと!!』
征十郎は私にマイクを突き出した。
『…………東美桜です』
私は突き出されて話さないわけにもいかず、名前だけ言った。
すると拍手と、冷やかされてるような声がした。
「美桜は洛山高校出身で、今は俺の秘書をしている」
すると「そうなんいいからさっさと言えよ!!」と声がした。
声がした方を見ると大輝が横を向いて、俺がやりましたと言っているような顔をしていた。
「青峰、後で覚えておけ」
征十郎は低い声で言った。
そして大輝の悲鳴も聞こえた。
「…………青峰の言う通り、前置きはこれくらいにしとこうか」
征十郎はちらっと私を見た。
私は征十郎の目線を感じ征十郎を見る。