第23章 赤い夫とのプロポーズ?
『征十郎…………』
こんなにも私は弱かったのだろうか。
近くにいるのに様子がわからず会えない事がこんなにも苦痛だとは思ってもいなかった。
たった数分の事なのだろうが、私にとっては数時間に感じる。
~桃井目線~
赤司くんがステージへと上がった。
「皆さんお久しぶりです。赤司グループ現社長、赤司征十郎です」
赤司くんがそういうと、赤司が敬語で話すとか雪が降る!!や、社長なのは知ってるわ!嫌味か!!など野次が飛んだ。
「今日ここに立ったのは紹介したい人がいるからです」
会場が一気にざわめいた。
「桃井」
赤司くんから呼ばれる。
「呼んでくる!!」
私は赤司くんに向かって叫んだ。
私は急いで扉を開けて美桜を探した。
「あれ?美桜!!」
私は名前を呼んだ。
『ここだよ』
美桜は案外近くにいて、小さくなっていたので気づかなかった。
「美桜ごめんね。赤司くんが呼んでる」
そういうと美桜の目が潤みだした。
『……呼ぶの遅い』
もう何だか泣きそうな顔をしていた。
『征十郎のアホ……!!1人で寂しかった……!』
私は美桜を優しく抱きしめた。