第23章 赤い夫とのプロポーズ?
征十郎の言うことは毎回冗談ではなく聞こえて困る。
「もうそろそろ着くな」
征十郎はナビをちらりと見ていった。
私もナビを見るとあと5kmぐらいだった。
『もう吐きそう』
「駄目だよ吐いたら。諦めて」
『うぅ……』
「ここか」
『うん…着いてもうた』
征十郎は私の手を握って言った。
目の前には高層ビルがそびえ建っていた。
「ここの最上階がホールになっていて貸し切ったそうだよ」
『すごいな……』
私は眩しくて少し目を細めて最上階を見上げた。
「とりあえず中へ入ろう」
『う、うん』
征十郎は足を進めた。私はそれに続くようしっかりと征十郎の手を握り、1歩足を進めた。
自動ドアを開けると目の前にはカラフルな頭が6個並んでいた。