第23章 赤い夫とのプロポーズ?
同棲を初めて1ヶ月ぐらい経った休日の昼下がり。
征十郎へ一本の電話が鳴り響く。
「もしもし。赤司だ。ああ黒子か」
征十郎は少し顔を綻ばせながら言った。
え?黒子??というかあの顔なに!?
いつも、征十郎にかかってくる電話は仕事関係かお義父さんからだった。だからあんなに楽しそうに電話で話すのを見たことがなかった。
「ああ。わかった。美桜にも伝えておくよ。………え?言ってなかったかい?1ヶ月前ぐらいから同棲しているんだよ。………そんなに驚かなくてもいいじゃないか」
征十郎は笑いながら言った。
あんなに征十郎を笑わせる相手っていったい……。
私はソファーで考える人のポーズをとりながら、疑問の渦に飲み込まれていった。
「うん。じゃあまた今度。皆に会えることを楽しみにしているよ」
征十郎はそう言って電話を切った。
『なんか嬉しそうだね』
「ああ。中学からの友達だ」
『あ、キセキの世代……だっけ?』
征十郎は私の横にストンと座った。