第22章 赤い夫との同棲
『……やんな』
美桜は安堵した表情で言った。
「さすがに俺はそこまで鬼ではないからね。それで、話の続きだがご飯を食べたあとに業者が来るだろう。それで鍵を預けて俺達は会社へ行く」
『うん。分かった……って。え!?業者の人に任せっぱなし?』
「ああ。大丈夫だよ。俺がよく使うところだから」
『なら良かった……』
俺の言葉に安心したのか、にこっと笑って言った。
「……美桜」
『なに?……ンっ』
美桜が顔を上げた瞬間に唇で塞いだ。
『なっ……え?』
「おはようのキスをしただけだ」
『……新婚か』
美桜はベシっと俺の方を叩いて言った。
「新婚ではないのかい?」
『…………じゃ、じゃあお風呂入ってくる!!!』
美桜は俺から逃げるように風呂場へと走った。
~美桜目線~
バタン
私は脱衣場の扉を閉めた。
"新婚ではないのかい?"
そう言った征十郎の言葉が頭に回る。
『新婚か…………?』
またまた自問自答をする羽目になった。