第22章 赤い夫との同棲
俺がゆさゆさと美桜を起こすと"ん………"と少し唸ってから俺の腕の中でゆっくりと目を開けた。
「おはよう」
そう声をかけると、ちらりと目線を上へと上げて、何が何だかわからないという顔で俺を見た。
『………おはよ』
#NAME#はとろんとした声で言い、目を擦ってもう一度俺を見た。
『……何で征十郎いんの?』
さっきの声のトーンとは違い、朝は苦手なのだろうか少しイラつきさえ伺えた。
「覚えてないのかい?」
俺は昨日流れを端的に教えた。
『あーーー!!!思い出した!』
色々思い出したせいか顔が赤くなっている。
「思い出してくれて良かった。という訳で時間が無いから起きよう」
『うん』
俺たちは布団から出て、布団の上へと座った。
「時間が無いときにすまないが、これからの流れだけ言わせてくれ」
『うん。良いよ』
「まず、美桜は風呂に入ってきてくれ。その間に俺は布団の片付けをして、朝ご飯を作る」
『え゛』
「え゛って……。一応料理はひと通り出来るから大丈夫だよ」
『いや、なんか悪いなって思って』
「明日から美桜がご飯を作ってくれるから最初で最後だからね」
『嘘やろ!?』
美桜は驚いた顔で言った。
「嘘だよ」