第22章 赤い夫との同棲
俺の問いに美桜はこくこくと頷いた。
『征十郎、征十郎のことが好きやから自分がすごい悔しいと思う……!!』
美桜は鼻声になりながらも、俺に一生懸命に伝えようとしてきている事が、ひしひしと伝わった。
『……迷惑じゃない?こんな我が儘で、すぐに逃げてしまう私といて嫌じゃない?』
美桜は俺の目を見て言った。
「迷惑じゃないよ。むしろそう思ってくれて嬉しいとさっきから言っているだろう?俺は美桜と一生離れるつもりは全然ないよ」
俺の言葉に安心したのか、また泣き出してしまった。
『うん……!』
美桜は俺の手に自分の頬を摺り寄せた。そして俺はぎゅっと力強く抱きしめた。
「これからで良い。焦らなくて良い。間違えて良い。もし間違えてしまったら俺が美桜を正しい道へと連れて行くから」
美桜がゆっくりと顔を上げた。
そして俺はゆっくりと自分の顔を近づけた。そして閉じられる美桜の瞳を見ながら、自分自身の瞳も閉じた。