第22章 赤い夫との同棲
俺は美桜の生活感が漂う風呂場に何か感じながら風呂へと入った。
自分から違う匂いがしてドキッとする。
「……いい匂いだな」
俺は洗いたての腕に鼻を近づけて少し匂いを嗅いだ。俺の肌から美桜を抱きしめた時に香る匂いが鼻をかすめた。
体を拭き、美桜から借りたジャージをはいてリビングへと戻った。
リビングへ戻ると布団をひいて、その上に座ってTVを観ている美桜の姿があった。
「美桜上がったよ。待たせたね」
『ううん!全然大丈夫だよ。シャンプーとかわかった?』
俺が声をかけると美桜が振り向いて笑顔で言った。
「ああ。大丈夫だ。すまないが水をもらえるか?」
『うん。ちょっと待ってね』
美桜がそう言うと、よっこいせと言って立ち上がりキッチンへと向かった。
『はい。お水』
美桜が俺のところまで来て渡してくれた。
「ありがとう」
俺はそう美桜を見て言って水を飲み干した。
飲み干したのと同時に正面から俺へ衝撃が走った。
『私と同じ匂いする』
美桜はそう言ってスンスンと匂いを吸い込みながら、俺の胸板俺の鎖骨辺りをぐりぐりと頭で擦り付けた。