第22章 赤い夫との同棲
私がそう急いで言えば、征十郎はおどろいた顔をしたが、くすりと笑って言った。
「美桜が良いのなら泊まっていこうかな」
『は、はい……。どうぞ』
私が寝るようにと布団は出してあった。1枚だけだが。それに気づいた時にはもう遅かった。
『先にお風呂入ってくれる?最後に私掃除するから』
「わかった。じゃあ先に入るよ」
『いってらっしゃい』
私は軽く手を振って言った。
~征十郎目線~
正直、美桜の口から泊まっていけと言われたのは驚いた。
行きしなに気まずかったからまさかこういう流れになるとは思ってもいなかった。
「…………まあ美桜にそのような考えがあるとは思えないけどね」
本人も焦って言っていたが、たぶん素で言ったんだろう。
俺は美桜の匂いがするジャージを脱ぎ、ドアを開けて風呂場へと入った。
美桜からジャージを借り、着た時に美桜のいい匂いがして何かが崩れかけたのは俺だけの秘密。