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赤い夫との日常【黒子のバスケ R18】

第22章 赤い夫との同棲



征十郎が車に乗り込んだので、私も助手席に乗り込んだ。

私が乗り込み、シートベルトを着けたのを征十郎が横目で確認すると、車を走らせた。

………怒った?よな。睨んだし。敬語を使ったのがまずかったんかな。でもここ会社やし……。

私はもんもんと怒った理由について考えた。

「美桜」

怒っているであろう本人から名前を呼ばれる。

『は、はい』

私は不意に呼ばれたのでびっくりして、声が裏返った。

「今、俺の感情を考えているようだが、怒ってるよ」

声はそんなに怒っていなさそうだが……。なんせ高校生の時に営業スマイルをしていたほどだ。感情を出さないなど容易いのだろう。

「お前は俺のことをどう思ってる?」

征十郎が私に問いかけた。

私はいつも名前を呼ばれているせいで"お前"という言葉が胸に刺さる。

『社長、上司……。そして彼氏、です』

「ああ、あっている。今言ったように社長という上の立場にはいる。だがそれは前のお前から見てだ」

征十郎は続ける。

「今、俺は彼氏だ。社長でもなんでもないよ。お前……美桜の彼氏だ。だから……会社の外にいる時ぐらいは彼氏として見てくれ」

信号が赤になり、征十郎は隣にいる私に顔を向けて弱く、最後は小さな声で言った。
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