第22章 赤い夫との同棲
……そういう問題か?
私は首を傾げた。
「美桜のマンションの管理人にはしっかり伝えておくから心配しなくていいよ」
征十郎は私の頭を撫でて言った。
『私の荷物は?さすがに自分で詰めたいんだけど……』
「じゃあ今日仕事終わってからやろう。俺も手伝うよ」
『えっ……!?いや、そんな迷惑じゃ……』
「俺がやりたいだけだ。それに男手が必要だろう?」
確かに。私1人では持てないものもある。
『じゃあ……お願いします』
「ああ。じゃあまた駐車場で待ってて」
『うん。あの、もう降りていい?』
「嫌だと言いたいがもうそろそろ仕事しないとな……」
『国際部のほうに私行かないとダメだから』
「……わかった」
征十郎はそれだけ言うと私に短いキスをしてゆっくりと降ろしてくれた。
『じゃあ行ってきます』
私はドアを開けて出ていった。
国際部の方へいくと部長が茶化してきたり、ロビーにいれば同期にいじられ先輩に色々言われ散々な1日だった。
そうこうしているうちに、仕事が終わり征十郎の車の近くで待った。
「すまない。待たせたね」
征十郎は颯爽と現れ車の鍵を開ける。
『社長お疲れ様です』
私は征十郎に頭を下げる。
「もう勤務外だ」
征十郎は少し私を睨み、それだけ言うと車に乗り込んだ。