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赤い夫との日常【黒子のバスケ R18】

第22章 赤い夫との同棲



私が近づくと征十郎が私の手首をひっぱって、腰へと手を回し私のお腹に顔をうずめて抱きしめた。

『えっ!?ちょ、ちょっと!ここ会社……!!』

私は離れようと征十郎の方を持って押した。

「……誰も見てないからいいよ」

征十郎は私をきつく抱きしめて、小さい声で言った。

『見てないからじゃなくって………』

私の声もつられて小さくなる。

「美桜」

征十郎は私の顔を見ずに言った。

『な、なに?』

下を向き、私から見て後頭部しか見えない征十郎をみる。

「……キスしたい」

『…………いま?』

「いま」

征十郎はゆっくりと顔を上げて抱きついたまま私を見上げる。

私はその綺麗な顔立ちに見とれ、ゆっくりと頬に手を伸ばした。

征十郎は猫のように私の手に頬すり寄せた。

「キスして」

『……さっきと注文違う』

「したいくせによく言うよ。まったく」

『…………』

「ほら。したいんだろう?」

征十郎は笑みを浮かべる。

『…………この体勢だと無理』

征十郎は手を離した。

「じゃあ膝に乗って」

征十郎は自分の膝をぽんぽんと叩いた。
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