第22章 赤い夫との同棲
たくさん笑った後、少し冷静になり頭の中を整理した。
私は征十郎の事が好きだ。それに征十郎も私を好きだと言ってくれている。
そして、征十郎のお父さんが経営しているマンション=家賃ゼロ
お父さんは私の事を知っていて、お付き合いもOK。そして会社のトップが許可すれば必然的に部下も許可をするだろう。
…………私に断るところがない。
こうして、私の征十郎との同棲生活が始まることとなった。
会社に着くともうとっくに私たちの関係は広まっていた。
お祝いの言葉を受けつつ、私たちは社長室へと入った。
『……やっと着いた』
「こんなに広まっていて祝われるとは…………」
征十郎は荷物を置き、疲れた様子で社長椅子へと座った。
私も上着を脱ぎ、カバンを置く。
「美桜」
『なんですか?』
私は仕事で必要なものを取り出し、仕事モードへと入る。
「こっちへおいで」
征十郎はまだ入っていないらしく、優しい声で私を呼んだ。
『はい』
私は征十郎と机を挟んで立った。
「そこじゃないよ。回ってここへ来て」
征十郎は椅子を横へ回転させて足元を指を指す。
『……はい』
私は警戒しながらも言われた通りの場所へ立った。