第21章 赤い夫との結婚
『そんな…………』
私は驚いて、目を見開いた。
「そんなに重く思わないでくれ」
征十郎は少し眉毛を下げて言った。
「ちなみになんだが…」
『うん?』
「俺が美桜を好きだと感じたのは今日だ」
征十郎は申しわけなさそうに言った。
『………………えぇ!?』
「本当にすまない」
『それでよく結婚しようと言えたな…………』
「自分が一番驚いてるよ」
嬉しいとは思うが、まだ正直に信じられない自分がいた。
「美桜、これだけは言える。俺は本気だ。冗談なんかじゃない」
征十郎はじっと私を見る。
『うん。赤司くんが冗談を言わないのは昔から知ってるよ』
「そうなら良かった」
『…………わかった』
「え??何がだい?」
『結婚はごめんやけど、まだ無理です。でも数ヶ月は付き合おう。それで会社の皆とかお父さんの反応を見てから結婚するか決めたい。私の両親にも言いたいしね…………。だめ、ですか……?』
征十郎は考え込んだ。
「…………皆の反応を見たいと思うのは俺も同じだ。それに美桜のお母さん方にも挨拶はするべきだと思うからね」
『じゃあ……』
「ああ。1度付き合おうか」
征十郎はくすりと笑って言った。