第21章 赤い夫との結婚
私たちの関係は"社長と部下"もしくは"同級生"としかない。
結婚はもう少し後だと考えたとして、もし社内恋愛をしてバレたら?私が飛ばされるか、征十郎が怒られるかもしれない。
そんなリスクが頭の中でぐるぐると回っていた。
「ちなみに……理由を聞いていいかい?」
征十郎は心底驚いた顔をしながら言った。少しだけ、ありえないという感情も受け取れるが……。
『うん……』
私は思ったことをすべて言った。
「……なるほど…………」
征十郎は顎に手を置いて黙る。
あまり納得してないよな……?
私はじっと征十郎の顔色を伺うために征十郎をじっと見た。
「美桜は、俺に結婚しようと言われて嬉しいという事でいいのかい?」
『……嬉しいってさっきから言ってますけど』
「いや。ただ確認しただけだよ」
征十郎はにこりと笑って言った。本当に嬉しそうだった。
「うん……。そうだね。父さんには何を言われるかは俺にも想像はついてない。もし、反対されたら意地でも通そうと思う。たとえ社長という立場が無くなってもね」