第21章 赤い夫との結婚
「……それにしても本当に美味しそうに食べるね」
征十郎はひとしきり笑った後に言った。
『だって美味しいから。あと赤司くん笑いすぎ』
私は征十郎を睨んだ。
「すまない。こんなに美味しいそうに食べる人は初めて見たからね」
『私にはこんな美味しいお肉は滅多に食べれませんから』
私は征十郎と普通に話せてる事に感動したが、笑われて少し怒っているので皮肉を込めて言った。
「なら毎日食べさせてあげよう」
征十郎は私の目を見て優しく微笑んで言った。
『え?そんな冗談を「違う」』
「俺は本気だよ」
征十郎はじっと私の目を見る。私の内側まで見るように強く。
『う、うん……』
「美桜」
『はい??』
「俺が今から言うこと良く聞いて」
『うん』
私は何を言われるのかとドキドキしながら頷いた。
「結婚しよう」
私は時間が止まったのではないかと思った。
「…………」
『…………』
私は正直この時の記憶がない。それほど衝撃だったことは覚えている。
え?今なんて?結婚?うそ、うそ、嘘嘘嘘嘘嘘嘘。いや。夢だ夢だ。こんな夢早く覚めて…………
もう思考回路がぐちゃぐちゃだ。