第21章 赤い夫との結婚
これが人を好きになるということなのだろうか。
「まさか俺が美桜を好きになるとはな」
本当にそうだ。高校生のときは仲のいい"友人"というだけだった。だがお互いに離れ大人になり成長し、変わった。美桜に守って上げたいという感情が芽ばえてきた。
「それにしても……。遅いな」
美桜がトイレに出てから10分近く経っていた。
~美桜目線~
私はまだトイレに閉じこもっていた。
『早く戻らな……』
私はゆっくりと立ち上がった。そしてドアから出て鏡で自分の顔を見る。
『ひどい顔』
私は少し顔色の悪い自分の顔を見て苦笑いをした。
パンッ
私は両頬を少し叩いた。
『よしっ!!!』
手早く化粧を治し、少し痛む頬に強く叩きすぎたと後悔したがそんな事は言ってられない。
『前に進むしかないか…………』
もう気持ちに嘘をつくのは辞めた。