第21章 赤い夫との結婚
少しページをめくると結婚式の写真などが出てきた。
『もう2年か……。早いな』
「そうだね。この時……というか美桜は俺とすぐに結婚してくれなかったな」
『そりゃすぐに“はい。結婚しましょう”ってすぐに言えないよ』
「だいぶ慎重に言ったつもりだったんだがな」
『え?あれで??』
私が入社してから半年が経った。今までの半年間はとても濃く、秘書検定を取得するため猛勉強したり、征十郎に付いて行くパーティなどがいっぱいあった。
「美桜」
『はい』
征十郎の呼び方が東から美桜に変わったのはこの頃からだった。
「今日の夜は空いているかい?」
私はパソコンを打っていた手を止めてスケジュールを確認した。
『はい。特に予定は……ないですね』
「そうか。なら今日は夜にレストランに行こう。美味しい所があるんだ」
『了解です』
今月お金大丈夫やったかな……。
私は心の中で心配していた。
「ああ。もちろん俺の奢りだよ。だから心配しなくていい」
『…………。なんで分かるんですか』
「どれだけ一緒にいたと思ってるんだい?」
『……理解しました』
私たちは基本こんな調子で話す。