第20章 赤い夫との再開。そして入社
そして現在に至る。
『いきなり新人を秘書にさせるとかおかしすぎやったから』
「だから秘書検定を受検してもらった」
『どれだけ取得するのに苦労したか…………』
私はため息をつきながら項垂れた。
「あの時に俺の横にいるのは美桜しかいないって思ったんだよ」
『絶対嘘や』
私は征十郎の目を見ながら言う。
「俺は嘘をつかないよ」
征十郎はそれに対抗するように私の目を見る。
『埒があかんな』
「俺はずっと見つめ続けられるけどね」
『私が無理』
そして他のページもめくっていく。