第20章 赤い夫との再開。そして入社
少しページをめくると写真全員で撮った写真が2枚あった。征十郎と私のものだ。私は少し緊張した顔で写っていた。征十郎はいつものように微笑んでいた。
「あの時は美桜と久しぶりに会ったんだよね?」
『うん。あの時は心臓止まるぐらいびっくりした』
それは私たちが結婚する前、私が22歳の時だった。
『あかん……。むっちゃ緊張する…………』
私はトイレで緊張で吐きそうになっていた。
『もう行かな……』
私は腕時計で時間を確認する。
その日は就活のため面接に来ていた。征十郎の会社だ。その時はまだアメリカへは会社が無く、社長はお義父さんだった。
私はよろよろとトイレから出た。
ドンッ
『あっ……すいません……私の不注意でっ!?』
私はぶつかってよろけたが体勢を取り直し、前を向いて心底驚いた。
「…東…………か?」
『え……赤司くん…………?』
「何でお前がここに〘プルルルルップルルルルッ〙」
征十郎の電話がなった。
「あ、すまない。またいつか会おう」
征十郎はそれだけ言うと颯爽と去っていった。
『…………幻覚か?』