第20章 赤い夫との再開。そして入社
『あっ!面接!!』
私はさっきまでの緊張を忘れて会場まで走った。
しばらく待機した後、次が私の番になった。私は練習した通りに頭の中でシュミレーションをする。私の前の人が出てきた。
私はシュミレーション通りに中へ入った。
『失礼します』
そして目の前を見て、目を見開く。
偶然なのか必然なのか分からなかった。そこには赤い髪をした、さっきトイレ前で会った、征十郎がいた。
『…………』
私はその場で呆然と立ちすくす。
「東……美桜さん?」
『あっはい!!』
私は何とか座るところまで事を運べた。
「国際部希望ということですね……。高校の時も英語得意だったからな」
あ、口調戻ってる。
私は内心戸惑いながらも安心した。
『あの、質問いいですか?』
「何だ?」
『なぜ貴方がここにいるのですか?』
「ああ、それか。俺が次期社長だからだよ」
『え?でも今って……』
「今の社長は父さんだ。だが来年度からはアメリカの方へ行くから俺が社長になる」
『そういう事だったんですか…………』
「東」
不意に名前を呼ばれて驚いた。
『!! はい』
「もう次の人呼ぶから終わりだ」
『はっ!?』
私は驚きの連発で椅子から落ちそうになった。