第20章 赤い夫との再開。そして入社
「卒業アルバムの他に何か無いのかい?」
征十郎が朝ごはんのトーストを食べながら言う。
昨日は征十郎が私を昼間からくたくたに疲れさせたので家事やら諸々出来なかった。
『特に見てないな……。あ、でも昨日卒業アルバム見つけた辺りを探せば出てくるかも』
「俺も手伝うよ」
『なに?卒業アルバム見たから他のも見たくなった?』
「いや。美桜を見たいだけだよ」
『……私は全然見たくないんですけどね』
そしてご飯を食べ終わり洗濯などを済ませてからアルバム探しを開始した。
『あるかなー?』
「美桜。何か台みたいなものあるかい?」
『あ、ちょっと待って。この前300円ショップで買ったミニ脚立がある』
私は洗面所まで取りに行った。
『お待たせ。はいこれ』
「ありがとう」
征十郎は脚立を広げて乗る。
そしてタンスの上をゴソゴソと探し始めた。
『あった?』
「今探してるんだが…………あ、あった」
『えっ!?ほんまに!』
「これは……最近のものだな」
『え?』
征十郎が見せてくれたアルバムの背表紙に“入社式&結婚式”と書かれていた。
『あーーー。そういやこの辺りに置いたな』
私はパラパラとアルバムをめくりながら言った。