第19章 赤い夫との出会い
私は征十郎の目を見る。
『この事について全部1人で背負わんといて。赤司くんだけのせいとちゃう』
私は声を低くして征十郎に訴える。
「だが………」
『もうほんまに殴んで?もうこれ以上自分を責めたりしんといて。逆に私が負い目感じてしまうわ』
ようやく征十郎が納得したのだろうか、少し頷いた。
『もう帰ろ。暗なってまう』
私は伸びをして、歩きながら言った。
「ああ。あと、木村は許してやれ」
『分かってる。まあ軽くしばくやろうけどな』
私は後ろを振り返りにっと笑いそのまま教室へと戻った。
後日、征十郎から聞いた話によると、征十郎のとりまき達は全員自宅謹慎となったらしい。そして征十郎のとりまきは無くなった。黄色い声は相変わらず聞こえるそうだが。
そして、現在。
「そんなことも……あったな」
『あったねー。懐かしい』
「あの時から俺が1人でなにか背負うと怒っていたね。アメリカの時もそうだったが」
『うん。その行為だけはほんまに許さへん』
私は征十郎をキッと睨む。
「その顔ほんとに可愛いよね」
征十郎はそれだけ言うと私の顎を掴み唇を重ねる。