第19章 赤い夫との出会い
「自分らが赤司くんと話せへんし見てもらえへんから羨ましいって思ってんねんやろ」
遙は自分で言って絶対そうだと頷いている。
「という事はさ、美桜は何してもあかんやん。例え赤司くんから話しかけられたとしても」
ひなたは声のトーンを低くして言った。
『……そうなるな』
私たち4人はうーんと唸りながら黙る。
「4人で唸ってどうしたんだい?」
今、1番話しかけて欲しくない人の声がした。
『あ、赤司くん……』
「悩み事かい?俺でよければ聞くが?」
ほんま誰のせいやと思ってんの。言ったら余計にこじらせるよな……。
『あのな、数学の問題で分からんとこあるから4人で考えててん』
私は一瞬で頭をフル回転し嘘を言った。
「ああ。そういう事か。教えようか?」
なんて優しいんやろ。この人は。でも今はどっか行って……!!
きーんこーんかーんこーん
『あ、チャイムなったやん。座ろ』
チャイム様ほんまにありがとうございます。
私はいつも鳴るなと思っているチャイムに心の底からお礼をした。
私たち5人は自分の席に着いた。