第19章 赤い夫との出会い
「くすっ。とても驚いている顔をしているね」
『うん。むっちゃ驚いてんねんけど。だっていつも嫌そうな顔してへんし。颯爽としてるから』
「さすがに嫌な顔は出来ないからね。みんなは本当の俺を知らないからそんな事を言えるんだ」
私はそれ以上問うのをやめてほかの話題へと話を変えた。
私はまだ知らなかった。今まで気をつけていたとりまき達に見られていたことを…………。
2年生になってから2ヵ月が経った。征十郎とは仲が良く、ほぼ毎日のように休み時間などで話すような仲になっていた。
その頃からだった。私の物が無くなったり変な噂が流れ始めたのは。
「なぁ。美桜ちゃん」
いつもクラスでご飯や移動時間を一緒に過ごしている子たち佳奈、遙、ひなたの3人が私の机へと来る。私は席で本を読んでいた。
『え、どしたん?』
私は本をしまい顔を見た、その子たちの顔が暗い。
……何かあったんかな?
「美桜ちゃんって去年妊娠して堕ろしたってほんま?」
佳奈が少し震えた声で言った。
『は………!?』
私は今何を言われたのかわからなかった。
「去年に妊娠して堕ろしたって聞いたんやけど…………」
『え!?してへんって!どこから聞いたんその情報!?』
私は立ち上がりって言った。3人はお互いに目を合わせ、ゆっくりと口を開いた。
「…………。赤司くんのとりまき達」