第19章 赤い夫との出会い
『なんで私の名前知ってんの?』
「俺が同い年の人の名前を知っていて問題あるかい?あと君は背が高いから覚えていたんだよ」
『そういう事か。よろしく。赤司くん』
私は征十郎の手を握った。
「クラス確認した人からちゃっちゃと教室行けーーー」
先生が教室に行くよう大声で叫んでいる。
「じゃあ、教室行こうか」
『え?一緒に?』
「? ああそうだが?」
『ええの?』
「良いから東を誘っているんだ」
『じゃあ行こか。希美また後で。帰りはいつもの場所で待ってるな』
「了解!私は1人寂しく教室行くわー。赤司くん美桜をよろしくなー」
「ああ。こちらこそよろしく頼むよ」
希美は笑顔で手を振りながら自分の教室へと歩いて行った。
『私たちも行こか』
私たちはどこの中学出身だの趣味だのお互いに自分の事を話して教室へと向かった。
「赤司様や!」
「新学期から会えてむっちゃ幸せやわー」
などなどなどなど。征十郎が歩くだけでこのうるささだった。
うるさいな。ちょっと黙れへんの?
私はイライラしていた。
「東?どうかした?」
『えっ!?あ!何もないよ?それより赤司くんってやっぱり人気者やね』
「全然いい気持ちでは無いけどね」
私は征十郎の口からそんな事を言うなんて思ってもいなかった。驚きすぎて今でも鮮明に覚えている。