第18章 お義父さんからの心配
私の手からじんわりと征十郎の手の温もりが伝わってくる。
『う、うぇ…………』
1度引っ込んだ涙がもう1度流れ始めた。
「泣かないで」
征十郎は立ち上がり私の涙を手で拭う。
『だって、だって…………』
「俺は嬉しいよ。美桜が俺のことをかっこいいと思ってくれて」
征十郎はぽんぽんと私の頭を叩く。
「父さん。改めてこの度はご迷惑をかけてしまってすいませんでした」
征十郎はお義父さんの方へ向き直って言った。
「………今回は美桜さんに免じて許す。これ以上心配をかけさせないでくれ」
お義父さんは優しく、でもどこかほっとした表情で言ってくれた。
「ありがとうございます」
『ありがとうございます。そして、無礼な態度をとってしまいすいませんでした。これからもよろしくお願いします』
「ああ。もう2人とも疲れただろう。家へ帰って十分な休息をとりなさい」
「『はい』」
私たちはお義父さんの部屋を後にしてお義父さんの家へと帰った。そしてすぐに2人で眠った。