第17章 赤い夫との誘拐
「…………」
『…………』
さっきからずっと征十郎は黙り込んだままだ。
どうしよう。どうしよう。言うんじゃ無かった…。
私は心の中でずっと後悔していた。
「美桜」
『は、はい?』
「今から同じ事をする」
『は?…………ぅん!?』
征十郎は私の顎を掴み自分の口へと押し当てた。征十郎の舌が私の口の中をかき混ぜる。
『ん…ふん………あっ』
水音が私の耳の中に響く。体の力が抜けてだらんとした所に征十郎はブラのホックを素早く外してパサッと投げた。
『んっんんっ……んふ…………』
征十郎の手が胸の先端に触れてキュッと摘む。
『んんっ!』
私はビクッと体を震わせた。だんだんと硬くなっていっているのが自分でも分かる。もう息が苦しくなってきたので征十郎の背中を叩く。
「どうかしたかい?」
『……脱いで』
「え??」
『征十郎も脱いで。私だけ脱いでんのは嫌』
私はネクタイを外して、スーツのボタンを外していく。
「随分積極的だね」
『もうなんかだんだんと気持ち悪くなってきた』
さっきまで思っていた後悔はもう無くて、今は早く消毒してほしいと強く思っている。
『…………早く消毒して』
私は恥ずかしさのあまり横を向いて言った。